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ここは、トミーウォーカーのプレイバイウェブ(PBW)【シルバーレイン】のPCのキャラクターブログです。                   ============================================================                               このページで使用するイラスト作品は全て、株式会社トミーウォーカーの運営する 『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は描いて下さった絵師様に、 全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 ============================================================
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彼が辿り着いたのは木々の生い茂る静かな場所。
暫く歩くと小屋が見えた。
それは彼が目指していた場所。
ドアを開けようと試みたが鍵がかかっていて開かない。
しかし、窓を見つけ手をかけると…開いた。
彼はそこから小屋の中へと侵入した。

そこに人の気配は無く、埃が積もっていた。
数年間使われていないのであろう…。
彼は小屋の中を歩き回った。
そんな時に彼の目に付いたのは机の上に置かれた黄ばんだ小さな紙。
彼はそれを手にとってみる。
どうやら手紙のようだ。
その手紙にはこう記されていた。

『少し出掛けてきます。
 今までありがとうございました。
 懐中時計、大切にします。
  Lucifer・Carter 』

彼はじっくりとその手紙を見て呟いた。
「やはりルシフェルはここに…」
その時だった。
白い鳩が羽音を立てて部屋の中を飛び回る。
「師匠、ここを覚えているのか?」
思わず彼は問いかけた。
鳩はそれに応じるように机の上に降り立ちじっと彼を見つめた。
「そうだよ…俺はここで紅葉からお前を預かった
 そして俺はここで龍崎になった」

数分間の沈黙。
鳩は机の上を歩きまわり、足跡を残す。
『ここで俺は龍崎になった』
その言葉を彼は頭の中で何度も反すうしていた。

『しかし、私は…』
決意を決め、彼は鳩に呼び掛ける。
鳩は歩みを止め、首を傾げる。
「手紙を…運んで欲しい。出来るか?」
鳩は胸を張ったような姿勢でじっと彼を見る。
「ありがとう。師匠…」
そう言って彼は手紙を取り出し、鳩の脚にくくり付ける。
鳩はじっとしたまま足元を見つめる。
どうにか結びつけることが出来た。
鳩は手紙を付けたままトコトコと歩き回る。
そんな鳩に彼は再び呼びかける。
「もう一通…大丈夫だろうか?」
鳩は再び足を止め、そっと脚を彼の前に差し出した。
「師匠…ごめんな…ありがとう」
鳩は唯、じっと手紙が結ばれるのを待っていた。

「届け先は…分かるな?」
鳩は頷くような素振りを見せ、窓から外の世界へ飛び立った。
そして彼は独りになった…。
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