再会の日。

目を閉じて思い返す。
過ぎ去りしあの日の出来事を…。

騒がせて申し訳ない…

龍崎…復帰したと聞きましたが…。



お陰さまで…な？



大丈夫…なのですか？



心配…してくれるのか？



そのような心算は…。
しかし、無理は禁物です。


ありがとう…
色々と申し訳なかった…
 

気付いたこと

ここでこうして引き籠っていても何の解決にもならないか…
ガキじゃあるまいし（苦笑）

龍崎を演じている内に見失った昔の俺
気付いた時は恐怖だったよ
自分を無くしたと…

でも、違ったって分かった
昔の…あの時の俺は心を閉ざしていた
あらゆるモノに対して…
そして知った
本来の俺の姿が昔の自分という訳ではないと…

龍崎を演じることで解放されていたんだな
昔の俺から…
いつまで龍崎に助けられてるんだろ、俺…（苦笑）

改めて実感した
もう少しで昔に戻る所だった
まぁ、楽だけどな
その方が…（遠い目）

だが今は辛くても心は閉ざさない
やりたいようにやる
それが今の俺
帰国して学んだことは無駄にしない…
危うくまた見失う所だった（苦笑）

全く…
心配な奴が多すぎる
休むに休めない…
少しずつだな…

そして…
言いたい奴は言わせておく
構わない
俺はやりたいようにやる
それだけだ

想定外の事態発生。

背後：ミケ、少し話があります…。


休息中……（ボソリ）



背後：いや？分かってるよ？分かってるから話に来た


…何だ？（睨）



背後：え～っとですね…。

虚無感。

闇を纏うようなロングコートを着た男がひとり。
ぼんやりと夜空に手を伸ばす。
その手を冷たい風が吹き抜けて行く。

「結局…」
独り言葉を漏らし溜息をつく
相変わらず男の手を掠めて行くのは冷たい風だけだった…