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ここは、トミーウォーカーのプレイバイウェブ(PBW)【シルバーレイン】のPCのキャラクターブログです。                   ============================================================                               このページで使用するイラスト作品は全て、株式会社トミーウォーカーの運営する 『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は描いて下さった絵師様に、 全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 ============================================================
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11月23日。

彼は白い花束を手に荒野に立っていた。
そこにあるのは一本の枯れ木だけ。
それは、彼にとって最後の戦場。
運命の歯車が確かに動いた場所…

歯車ならもっと前から動いていたのかもしれない。
しかし、彼はそれに気付いていなかった。
空気位にしか感じていなかった存在。
寧ろ鬱陶しいとしか思っていなかった存在。
しかし…
当たり前だと思っていた空気が無くなって、初めてその重要性に気付いた。

運命とは残酷なものだ。
失ってからでは遅すぎる…

『お前、自分が何をしているのか分かっているのか?』
『そいつは俺たちの敵だ!そいつが何をしたのかお前も良く分かっているはずだろ?』
『この裏切り者!』

飛びかかる罵声。
あの時、何をしたのか…
自分ですら分からなかった。
しかし、後悔等はしていない。
それでも…判断を下すには遅すぎた。

別に組織を裏切りたかった訳では無い。
少女を護りたかった訳でも無い。
唯、あいつが…
気付いたら走ってた。
我を失って少女を抱えて走っていた…
走馬灯のようにあの頃の思いが駆け巡る。

「龍崎…」
そう言って彼はそっと枯れ木の根元に花束を添える。
そして想いを馳せる…
その時だった。
急に後方から声がした。

「その服装は…もしや右翼のミカエルでは…?」
その言葉を聞き、彼の表情はみるみる内に変っていく。
「…ほう…その名を知っているとは…」
そう答えながらゆらりと彼は振り返った。
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彼が辿り着いたのは木々の生い茂る静かな場所。
暫く歩くと小屋が見えた。
それは彼が目指していた場所。
ドアを開けようと試みたが鍵がかかっていて開かない。
しかし、窓を見つけ手をかけると…開いた。
彼はそこから小屋の中へと侵入した。

そこに人の気配は無く、埃が積もっていた。
数年間使われていないのであろう…。
彼は小屋の中を歩き回った。
そんな時に彼の目に付いたのは机の上に置かれた黄ばんだ小さな紙。
彼はそれを手にとってみる。
どうやら手紙のようだ。
その手紙にはこう記されていた。

『少し出掛けてきます。
 今までありがとうございました。
 懐中時計、大切にします。
  Lucifer・Carter 』

彼はじっくりとその手紙を見て呟いた。
「やはりルシフェルはここに…」
その時だった。
白い鳩が羽音を立てて部屋の中を飛び回る。
「師匠、ここを覚えているのか?」
思わず彼は問いかけた。
鳩はそれに応じるように机の上に降り立ちじっと彼を見つめた。
「そうだよ…俺はここで紅葉からお前を預かった
 そして俺はここで龍崎になった」

数分間の沈黙。
鳩は机の上を歩きまわり、足跡を残す。
『ここで俺は龍崎になった』
その言葉を彼は頭の中で何度も反すうしていた。

『しかし、私は…』
決意を決め、彼は鳩に呼び掛ける。
鳩は歩みを止め、首を傾げる。
「手紙を…運んで欲しい。出来るか?」
鳩は胸を張ったような姿勢でじっと彼を見る。
「ありがとう。師匠…」
そう言って彼は手紙を取り出し、鳩の脚にくくり付ける。
鳩はじっとしたまま足元を見つめる。
どうにか結びつけることが出来た。
鳩は手紙を付けたままトコトコと歩き回る。
そんな鳩に彼は再び呼びかける。
「もう一通…大丈夫だろうか?」
鳩は再び足を止め、そっと脚を彼の前に差し出した。
「師匠…ごめんな…ありがとう」
鳩は唯、じっと手紙が結ばれるのを待っていた。

「届け先は…分かるな?」
鳩は頷くような素振りを見せ、窓から外の世界へ飛び立った。
そして彼は独りになった…。
大きな時計台が何時ものように時を刻んで行く…
そんな風景の中に彼の姿があった。
「変わったのか変っていないのか…」
ふと彼は呟いた。

彼の身を包むのは、いつもの白いタキシードではなく、黒のロングコート。
それはかつての彼の正装…。
緊張した面持ち。
そこには、龍崎・拓斗としてのいつもの笑顔は無かった。
そんな彼を心配するかのように一羽の白い鳩が彼を見つめる。
それに気付いてか、彼は一瞬微笑むもののすぐに元の強張った顔付きに戻る。
とうとう着いたのだ…
もう訪れることは無いと思っていたこの地に…

しかし、目的地まではまだ距離がある。
彼が目指しているのは最後の戦場。
その前にもう一つ寄らなければいけない場所がある…
彼は時計台を背に再び駆け抜ける。

急がなければ…
時が刻々と近づいている…
b64416_icon_16.jpgルシフェルが知りたいのは…
この時計に刻まれた名の者のこと?
それとも、その時計を君に託した者のこと?

b60498_icon_3.jpg
それは…どういう意味ですか?
この時計には持ち主の名が刻まれていると…

b64416_icon_16.jpg
つまり…
その時計を君に託した者は本来の持ち主では無いということだ…

b60498_icon_3.jpg
そう…なのですか…
しかし、何故それを…

b64416_icon_16.jpg
俺の予想が正しければ…
君にその時計を託したのは紅葉と名乗る山小屋の男では無いか?

b60498_icon_5.jpg
クレハを…知っているのですか…?


b64416_icon_16.jpg
知っているという程では無いが…
面識はある

b60498_icon_5.jpg
……。


b64416_icon_16.jpg念の為言っておくが…
クレハはミカエルでは無いぞ?
君が知りたいのはどちらのことだ?

b60498_icon_2.jpg
……。
両方…です…。

b64416_icon_16.jpg
因みに…
何故ミカエルに興味を?

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他人だとは…思えないからです…


b64416_icon_16.jpg
ルシフェル、申し訳ないのだが…


b60498_icon_3.jpg
何…ですか…?


b64416_icon_16.jpg
明日から少し出掛けることになった
話の続きは帰ってきてからでも良いだろうか?

b60498_icon_5.jpg
その間、綺羅良はどうするのですか?


b64416_icon_1.jpg
珠玖伽にお願いした
ルシフェルも今月GTで探し物をしていると背後から聞いているから・・・

b60498_icon_3.jpg
……。


b60498_icon_13.jpg
龍崎、少し良いですか?
お聞きしたいことがあるのですが…

b64416_icon_16.jpg
俺に?珍しいな…
どうしたんだ?

b60498_icon_3.jpg
ミカエル・カーターという人物について何か知っていることはありますか?


b64416_icon_16.jpg
何故それを俺に…?


b60498_icon_3.jpg
満月が…懐中時計のことを知りたかったら龍崎と仲良くするべきだと…


b64416_icon_16.jpg
背後がそのようなことを…


b60498_icon_3.jpg
知って…いるのですか…?


b64416_icon_16.jpg
一応な…


b60498_icon_5.jpg
この懐中時計のことも…ですか?
(銀の懐中時計を取り出し)

b64416_icon_16.jpg
彼の持ち物だな…
しかし…何故それを君が持っている?

b60498_icon_3.jpg
 ……。

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